C.F.X.

C.F.X.

単純なルールで複雑な空間を目指した共同住宅。池袋近郊の駅から徒歩数分の商店街の終わりに位置する。敷地面積は約40坪で、敷地形状は細長く、北側前面道路で、2mほど計画道路の範囲に入っており、高度斜線も厳しい。用途的には住宅地でもなく商業地でもないエリアと言える。本来は高い収益性を期待出来ない敷地条件だが、比較的ゆとりのある1LDKタイプの賃貸住戸を、9世帯確保し、土地のポテンシャルをフルに引き出している。様々なプランを検討した結果、地下階に加えて、南側を天井高さ2.8mの地上4層として、北側を天井高さ2.1mの5層とし、この二つを屋内階段で結ぶシンプルな構成とした。また共用階段は、建物の中心に配置して、南北に居室を設けた細長い住戸とした。3方向開口の総ての住戸が角部屋的な建築となっている。住戸内の階段は、幅が1.5mを超えており、廊下というよりは高低差を利用したもう一つの部屋として使える。階段は上部階ほど勾配が緩く、上下住戸の関係性が徐々に変化する。また高度斜線で切取られたボリュームに対しては、壁に曲面を用いて、デザイン的な理由でこの形態が選択されたかのようにしている。東西隣地側の壁面からの採光については、ガラスブロックをランダムに配置し内部の採光を補っている。また計画道路が通る部分の構造のみ、将来撤去可能な鉄骨造とし、パンチングメタルの目隠しの付いたサンルーム的な場所としている。またパンチングメタルのスクリーンは、取外し可能で、道路拡幅後にも使用出来るように工夫されている。屋上には、キッチンが付いた共有スペースが作られ、入居者同士の交流を図る、アウトドア・リビングとなっている。
設計監理:三幣順一/A.L.X.
構造設計:久米弘記(久米弘記建築構造研究所)
施工  :渡邊建設
所在地 :東京都豊島区
用途  :共同住宅
構造規模:RC造一部鉄骨造 地上5階 地下1階
述床面積:476.9m2
竣工年 :2014年
写真撮影:鳥村鋼一
Architects: SAMPEI, Junichi /A.L.X.
Structral engineers: KUME, Hiroki
Photographer: TORIMURA, Kouichi
Location: Tokyo, Japan
Structure: Reinforced concrete ; 5stories and 1 underground story
Total floor area: 476.9m2
Completion date: Apr. 2014
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