Denenchofu House
田園調布の家

Denenchofu House
田園調布の家

周辺環境に恵まれた敷地は、多摩川に近い高台に位置し、南側は桜の名所でもある公園に道路を挟んで面している。北側は緩やかな谷となっていて、遠くに教会や、緑豊かな邸宅街と向き合っているが、距離があり視線を気にする必要は無い。この特徴的な抜け感と眺望を活かすことで、敷地の何十倍もの大きさの空間を体感できる。厳しい建築規制によって建物の配置は自ら決定され、許容される最大の面積を2階に確保した。4.5mの長さのキッチンカウンターを中心とした高低差のあるLDKが、南北の風景を繋いでいる。地下階は、奥の庭に空けた三角形のドライエリアに面するバスルームの有るユーティリティと収納で、1階は、2台分の駐車スペースを確保して、主寝室は、奥の庭に連続するように配されている。子供部屋は、2階のリビングの奥に、離れのように作られ、道路を挟んだ南側の緑豊かな公園と、ガラス越しに一体化している。子供部屋のボリュームが、リビングから見ると道路からの目隠しとしての役割を果たし、公園の松や桜の樹木を室内に取込んでいる。また南側の大階段を登ると、公園を行き交う人々と視線が交錯しないテラスに出る。2階の一室空間は、南北に細長いプランを補う為に、三角形のトップライトやスリットから、採光や通風を確保し、一日中、自然光が変化しながら室内に差込む。この住まいは、周囲の良好な環境を借景として活用しながら、風景と一体化した暮らしを実現している。
設計監理:三幣順一/A.L.X.
構造設計:久米弘記(久米弘記建築構造研究所)
所在地 :東京都大田区
用途  :独立住宅
構造規模:RC造+木造/地下1階・地上2階
述床面積:143.34m2
竣工年 :2012年
写真撮影:鳥村鋼一
掲載誌 :「住まいの設計」2014年11-12月号
Architects: SAMPEI, Junichi /A.L.X.
Structral engineers: KUME, Hiroki
Photographer: TORIMURA, Kouichi
Location: Tokyo, Japan
Structure: Wooden construction& Reinforced concrete ; 2stories and 1 underground story
Total floor area: 143.31m2
Completion date: Apr. 2012
Publishing magazine: Sumai Nov/Dec 2014 No.655
WORKS一覧に戻る